- 確定申告の期限を過ぎちゃったけど、これってどれくらいのペナルティがあるんだろう?
- 延滞税とか無申告加算税ってどれくらいかかるんだろうか…。
- 申告が遅れた場合、取引先や金融機関にどんな影響があるんだろう?信頼を失わないためにどうしたらいいのか、不安でたまらない。
こんな不安や疑問に答えます。
確定申告の期限が過ぎてしまった場合、どのようなペナルティが発生するのか、延滞税や無申告加算税の具体的な影響について不安を感じている方は多いでしょう。
また、申告遅延が取引先や金融機関との信頼関係にどのような影響を与えるかについても心配されることがよくあります。
この記事では、申告が遅れた場合の影響と具体的な対策方法について詳しく解説します。
適切な対処法を知り、確定申告の不安を解消しましょう。
確定申告の申告期限
所得税の確定申告の申告期限は、翌年の3月15日です。
確定申告が遅れると、延滞税や加算税が発生し、さらには地方税や取引先に影響を及ぼす可能性があります。
早急に対処することで、これらの影響を最小限に抑えることができます。
具体的な対策とプロのサポートを活用しましょう。
確定申告が遅れた場合の影響
確定申告期限に間に合わなかったり、忘れてしまって申告が遅くなってしまった場合に考えられる影響です。
遅れた場合の影響
- 延滞税や加算税の発生、重加算税のリスク
- 地方税への影響
- 取引先への影響
- 特別控除に関する影響
それぞれの項目について解説します。
延滞税や加算税の発生、重加算税のリスク
確定申告が遅れると、延滞税や加算税がかかります。
延滞税とは「利息」な税金で、納税金額や遅れた期間に応じて金額が変わります。
納税金額が大きく、遅れた期間が長いほど延滞税も金額が大きくなるので、なるべく早く納めた方が延滞税が少なくなります。
加算税として「過少申告加算税」や「無申告加算税」が課されます。
加算税は、税額の5%~20%の税率となり、延滞税と合わせると、かなり大きな金額になることがありますので注意が必要です。
遅れてしまった場合でも、なるべく早く申告と納税を完了させましょう。
地方税への影響
確定申告が遅れると、地方税にも影響があります。
地方税の延滞
確定申告に基づいて住民税が計算されるため、申告が遅れると住民税の納付も遅れることになります。
これにより、住民税の延滞金が発生する可能性があります。
地方税の追徴
確定申告が遅れると、住民税や事業税などの地方税に対しても追徴が発生します。
地方税への影響は幅広く、住民税や事業税、国民健康保険などに影響します。また、それぞれ延滞金や督促手数料がかかることになるため、金銭的な影響も大きいです。
取引先への影響
確定申告が遅れると、取引先にもさまざまな影響を与える可能性があります。
とくに、取引している金融機関からの信用の低下、融資審査への悪影響、契約の遅延や経理業務の負担増加など、さまざまな問題が発生する可能性があります。
これらの影響を避けるためには、確定申告を期限内に行い、万が一遅れる場合でも迅速に対応することが重要です。
信用低下
確定申告が遅れると、取引先に対する信用が低下するリスクがあります。
特に、金融機関は企業の財務状況を慎重に監視しており、確定申告書の提出を求めることがあります。
申告が遅れるということは、「会計処理がうまくなされていない」「経営的に何か問題がある」などの疑念を、取引先に与えてしまいます。
融資の審査に影響
確定申告書は、金融機関からの融資審査において重要な書類です。
申告が遅れると、融資審査においてネガティブな評価を受ける可能性が高まります。
これにより資金繰りや経営活動において大きな支障となることが懸念されます。
契約の更新や新規契約への影響
確定申告の遅延は、取引先との契約更新や新規契約の際にも影響を及ぼすことがあります。
取引先が財務状況の健全性を確認するために確定申告書を要求する場合、提出が遅れることで契約更新や新規契約がスムーズに進まない可能性があります。
特別控除への影響
青色申告をしている場合、最大65万円の青色申告特別控除を受けることができます。
しかし、青色申告特別控除は法定申告期限内に確定申告書を提出していることが条件としてあるため、期限を過ぎて申告してしまうと、この特別控除額が利用できません。
例えば、65万円の控除を受けられるはずだったのに、特別控除が受けられないこととなると、その分税金が増えてしまいます。
これらのデメリットを回避するために、確定申告を期限内に行うことが重要です。
確定申告の遅延に対する具体的な対策方法
早急な申告
確定申告の期限を過ぎてしまった場合でも、できるだけ早く申告を行うことが重要です。
早めに対応することで延滞税や加算税を最小限に抑えることができます。
e-Taxの利用とメリット
e-Taxを利用することで、確定申告を迅速に行うことができます。
e-Taxは24時間利用可能で、自宅から申告ができるため、期限を過ぎそうな場合でも迅速に対応できます。
申告期限延長の方法
災害や病気などやむを得ない事情がある場合は、申告期限の延長申請が可能です。
やむを得ない事情とは
- 地震や台風などの自然災害
- 火災などの人為的な災害
- 申告等をする者の重傷病など
上記の事情がある場合は、やむを得ない理由がやんだ後、相当の期間内に申請書を提出することで、申告、納付等の期限延長を受けることが可能です。
延長申請を行うことで、ペナルティを回避することができます。
確定申告書の間違いを発見した場合の対処方法
確定申告書を提出した後に、計算間違いや記載間違いを発見した場合の対処方法は、確定申告の申告期限(3月15日)の前なのか後なのかによって対応が変わります。
申告期限前と期限後の両方のケースについて説明していきます。
申告期限前の場合
申告期限内に確定申告書を再提出すると、最後に提出した申告書が正式なものとして取り扱われます。
確定申告の提出期間は2月16日から3月15日までですが、例えば2月16日に確定申告書を提出したが、間違いに気づいて3月15日に訂正した確定申告書を提出した場合は、最後に提出した申告書が正式なものとして取り扱われます。
≫国税庁HP:確定申告を間違えたとき🔗
申告期限内に間違いに気づいた場合は、早急に訂正した確定申告書を提出するようにしましょう。
申告期限後の場合
提出した確定申告書を訂正するには、修正申告書若しくは更正の請求書の提出が必要です。
どちらの書類を提出するかは、次の区分によって判断することになります。
追加で税金を納める場合など
すでに提出した申告書の税金より本来の税金が多く追加納税する場合や損失の金額が少なくなる場合は、修正申告書を作成し税務署に提出し、不足分の税金を納付します。
納めた税金が多い場合
すでに提出した申告書の税金より本来の税金が少ない場合は、更正の請求書を税務署に提出し、納めすぎた税金の還付を受けます。
更正の請求ができる期間は法定申告期限から5年以内となっています。
早急に申告するべき理由は「延滞税」と「税務調査」
修正申告である場合は、間違いに気づいたら、なるべく早く提出することが重要です。
早急に申告するべき理由
- 延滞税がかかる場合がある
- 税務調査で指摘を受けるとさらに追徴税が増える
修正申告書を提出する際に不足分の税金も支払いますが、同時に延滞税を支払う必要があります。延滞税は延滞している期間に応じて金額も大きくなるので注意が必要です。
また、自分で修正申告を提出する前に、税務調査がきて指摘を受けると延滞税の他に過少申告加算税等が課されます。またさらに最悪のケースを想定すると重加算税といった高率の税金が課されてしまうことも否定できません。
間違いに気づいたら、早急に修正申告書を提出するようにしましょう。また、更正の請求書も期限がありますので早めに提出しましょう。
>>>税務調査で指摘されやすいポイント解説!申告漏れを防ぐための会計処理のポイント解説!
修正申告書と更正の請求書の違い
確定申告をした後に間違いに気づいた場合、修正申告書や更正の請求書を提出することで訂正ができます。
修正申告書
申告した税額が少なかった場合には、修正申告書を提出します。
修正申告書のポイント
- 使用する場面: 申告した税額が本来よりも少なかったとき。
- 例: 例えば、収入を一部申告し忘れた場合や、経費を過少に計上していた場合。
- 手続き: 誤りに気づいたら、できるだけ早く税務署に修正申告書を提出します。
修正申告を行うと、追加の税額とその期間に応じた延滞税が課されます
更正の請求書
更正の請求書は、逆に申告した税額が多すぎた場合に使います。
更正の請求書のポイント
- 使用する場面: 申告した税額が本来よりも多かったとき。
- 例: 例えば、医療費控除を申告し忘れた場合や、控除額を誤って少なく申告した場合。
- 手続き: 誤りに気づいたら、更正の請求書を税務署に提出して、払いすぎた税金の還付を求めます。
更正の請求は、申告対象年の翌年1月1日から5年間有効です。この期間内に請求を行えば、過払い分の税金が還付されます。
確定申告の遅延による延滞税は必要経費にはならない
所得税や消費税の納付が遅れた場合に、徴収される延滞税は必要経費になりません。
所得税法の規定で延滞税が必要経費や損金にならないこととされています。
延滞税のみならず、不納付加算税や過少申告加算税、無申告加算税や重加算税も必要経費とはなりません。
所得税や消費税などの延滞税、加算税は経費にならず、支払い損になることを覚えておきましょう。
ほかに必要経費にならないもの
地方税が遅れた場合に発生する延滞金も必要経費にならない
住民税などの地方税が遅れた場合に課される「延滞金」も延滞税同様、必要経費にすることができません。
ただし、納付が遅れた場合に請求される督促手数料は必要経費になります。
また、社会保険料の納付が遅れた場合も延滞金がつくことがありますが、社会保険料の延滞金は必要経費とすることができます。
会計処理はどうするのか?
延滞税が経費にならないのであれば、現金などから支出した延滞税や加算税などの会計処理はどうすればいいのでしょう?
個人事業主と法人では処理の仕方が違うので、それぞれ別々に会計処理方法を解説していきます。
個人事業主の場合
「事業主貸」で処理する
延滞税は必要経費にならないので、事業主貸で処理し、経費として集計されないようにします。
所得税自体も事業主貸で処理するので、同じように延滞税も事業主貸で処理します。
租税公課で処理してしまうと、うっかり経費にしてしまう可能性があるので注意しましょう。
法人の場合
「租税公課」で処理し、申告調整で別表四で減算する
法人の場合は事業主貸が使用できません。
法人は申告調整ができるため、決算書の段階では租税公課で処理し、税金の計算をする申告調整で損金から除外することになります。
法人の場合はまずは租税公課で処理しておきましょう。
申告調整で減算することをお忘れなく。
よくある質問(FAQ)
確定申告が遅れた場合、すぐにペナルティが課されますか?
すぐにペナルティが発生するわけではありません。期限後に申告すると、遅れた期間によって延滞税が計算され、のちに課税されます。また、申告しないうちに税務調査が入ると、加算税率が高くなります。できるだけ早く申告を行うことが重要です。
修正申告書を提出する際の手順は何ですか?
修正申告書を提出するには、まず税務署から「修正申告書」の用紙を入手し、記入後に税務署に提出します。e-Taxを利用すれば、オンラインで手続きを行うことも可能です。
更正の請求書はどのような場合に提出すればよいですか?
更正の請求書は、過剰に納税していた場合や控除を適用し忘れた場合に提出します。例えば、医療費控除を申告し忘れた場合などです。逆に納めた税金が少なかった場合には「修正申告書」を提出します。
税理士に申告を依頼するメリットは何ですか?
税理士に依頼することで、確定申告や修正申告、更正の請求などの手続きを正確かつ迅速に行うことができます。また、税務に関する専門的なアドバイスを受けることで、ペナルティのリスクを回避することが可能です。
確定申告の遅延による影響と対策:まとめ
確定申告が遅れると、延滞税や無申告加算税といったペナルティが発生し、地方税や取引先との関係にも影響が及びます。
特に、青色申告特別控除が減額されたり、繰戻し還付が受けられなくなったりするため、期限内に必ず申告するべきです。
間違いに気づいた場合、税額が不足しているときは修正申告書を、過払いしているときは更正の請求書を提出します。
税理士のサポートを活用することで、これらの手続きをスムーズに進め、安心して確定申告を行うことができます。
正しい情報と迅速な対応で、申告遅延の影響を最小限に抑えましょう。
確定申告が遅れた場合の影響
- 延滞税や加算税がかかる
- 地方税についても追徴が発生する
- 取引のある金融機関に申告書の提出ができない
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
執筆者:PLEASANTNOTE
会計事務所時代は法人・個人の申告を累計500件以上担当。現在はWebマーケター。
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