法人成りの注意点を徹底解説!個人事業主が法人化する際に知っておくべき5つのポイント!

2024年5月21日

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  • 「法人成りするときに気をつけるべきことは?」
  • 「税務や会計処理の方法は変わる?」
  • 「手続きはどう進めたらいい?」

法人化する際に必要な手続きや、どのように進めたらいいのか、どのような義務が発生するのか、具体的に知っておきたいですよね。

この記事では、法人化する際の注意点や事前準備と計画の必要性についてまとめていますので、法人成りを検討している個人事業主の方はぜひ最後までご覧ください。

法人成りの基本とメリット

法人成りとは

個人事業主が会社を設立し、自分の事業を会社に引き継いで運営していくことをいいます。個人で行っていた事業を、会社として運営するように形を変えることです。

法人成りのメリット

法人成りのメリットはさまざまありますが、代表的なメリットを2つご紹介します。

  • 対外的な社会的信用の向上
  • 節税対策の幅が広がる

それぞれの項目について解説します。

対外的な社会的信用の向上

法人格を持つことで、個人事業主より事業規模が大きいものとして、また長期的なビジネスを行う事業体として、社会的な信用が高まります。

法人は会社法などの規定により、なにか問題を起こした場合、法的な手続きで責任を問われます。

また、法人の所在地や資本金などの情報は法務局で登記されており、銀行や取引先などがこれを参照することができます。

これにより、法人が客観的に評価されて、取引における信用を得やすいことがいえます。

節税対策の幅が広がる

法人成りをすると、個人よりも節税の幅が広がります。

経営者の報酬を役員報酬(給与所得)として経費に計上できるため、法人の所得を減らすことができます。

役員報酬の支給を受けた役員には所得税がかかることとなりますが、役員報酬では給与所得控除を利用することができるので、事業所得に比べその分所得を減らすことができます。

ただし、あまり所得が出ていない状況であれば、所得税の方が安くなるケースもあるので、専門家のアドバイスやシミュレーションを受けて進めることをおすすめします。

>>>税理士に依頼する4つのメリットと3つのデメリット徹底解説!不安を解消して最適な税理士を探す!

法人成りする際に知っておくべき5つのポイント

5つのポイント

  1. 法人税の均等割について
  2. インボイス制度による影響について
  3. 社会保険の加入義務について
  4. 申告書類のボリュームと作成難易度がアップ
  5. 法人設立費用や手続きの費用

それぞれの内容について解説します。

法人税の均等割について

法人の場合、利益が赤字でも黒字でも、必ず納める必要がある「均等割」という税金がかかります。

均等割は申告時に支払う必要があります。また、所得がある場合は、その所得に対する法人税も加えて支払うことが必要です。

均等割の額は資本金の額や従業員数により幅はありますが、最低でも7万円の支払いが毎年出ることになります。

赤字でも黒字でも関係なく税金が発生することを覚えておきましょう。

インボイス制度による影響について

インボイス制度の施行により、消費税の免税期間の恩恵が受けられない場合がある

法人を新規設立すると、消費税の納税義務の規定により、最大2年間は消費税を納める必要がない免税期間が利用できました。

しかし、2023年10月よりインボイス制度が施行されたことにより、免税期間の恩恵を受けることが以前より困難になっています。

インボイス制度に登録すると同時に消費税の課税事業者となり、消費税を納める義務が生じます。

このためインボイス制度が施行された現在では免税期間の恩恵が受けづらくなっています。

>>>飲食等の領収証にインボイス(適格請求書)の登録番号の記載がない場合の影響は?|免税事業者が制度に登録するうえで把握しておくべき3つのポイント!

社会保険の加入義務について

法人の場合、社会保険に加入することが義務付けられています。

社会保険料は、給料の額や年齢に応じた健康保険、厚生年金を従業員から預かり、さらに事業所負担分の保険料を加えて納めることになります。

事業者負担分の保険料は給与月額の約15%とされているため、個人負担分と合わせて給与月額の約30%の社会保険料の支払いが生じます。

毎月の負担が増えるため、人件費全体のシミュレーションを行い、事前にどのくらい支払いが必要になるのか把握しておくべきでしょう。

申告書類のボリュームと作成難易度がアップ

法人と個人事業主では、決算申告書類のボリュームと作成難易度が大きく変わるため、報酬も異なります。

個人事業主の確定申告では、確定申告書や青色申告決算書などの申告書類を作成します。

一方、法人は確定申告書や決算書にくわえて、別表、勘定科目内訳書、事業概況説明書の作成と提出が必要です。

とくに確定申告書や別表は作成難易度が高く、複雑で専門知識が必要です。

つまり、法人になると申告書類のボリュームが多く、作成難易度も高くなる傾向があります。そのため、法人では専門家の助けを借りることが一般的で、会計士や税理士に相談することが必要です。

法人設立費用や手続きの費用

法人成りには、いくつかの費用がかかります。代表的な費用を紹介します。

  • 法人設立費用
  • 会社の印鑑や名刺、消耗品の費用
  • 社会保険手続き費用
  • 税務申告費用

それぞれの項目について解説します。

法人設立費用

法人設立費用は、定款認証費用、登録免許税、司法書士や行政書士の報酬を合わせたものです。

資本金の額や誰に頼むかにより変わりますが、すべて合わせると約40万円ほどかかります。

会社の印鑑や名刺、消耗品の費用

会社の印鑑や会社名が印刷された名刺、領収書・請求書のリニューアルなどが必要です。

社会保険手続き費用

法人では社会保険に加入する義務があります。

社会保険の手続きは、加入する際の手続きの他、毎年の算定基礎届や異動があった場合の異動届などがあります。

社会保険労務士に依頼し、社会保険料の加入などの手続きをすることが必要です。

税務申告費用

法人の決算で提出する書類は、個人事業者の確定申告で提出する書類よりも、種類が多く記載内容も複雑なものが多いです。

個人の場合は確定申告書、青色申告決算書が主な書類ですが、法人の場合は申告書、別表、決算書、勘定科目内訳書、事業概況説明書と種類も記載内容のボリュームも一気に増えます。

そのため、申告の際の税理士報酬も、個人の場合と比べ増額となるケースが多いことを頭に入れておきましょう。

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事前準備と計画

個人事業者が法人成りし営業を始めるためには、設立登記や届け出関係の提出、社会保険の手続きや取引先への通知などさまざま手続きが必要です。

登記、税務、労務など幅広い分野での手続きが必要になるので、各専門家に依頼することが必要です。

法人成りの準備

  1. 法人の設立登記、定款の作成
  2. 税務関係の届出書の作成、提出
  3. 社会保険や労働保険の手続き
  4. 取引先との契約社名変更等
  5. 銀行口座や借入金名義の変更、更新
  6. その他許可関係の更新など

このように個人事業者が法人成りする場合、さまざまな手続きが必要になります。

また、上記の業務を委託する場合、それぞれ依頼する専門家が違う点も注意が必要です。

例えば、法人の設立や定款の作成は司法書士、税務に関しては税理士、社会保険や労働保険の手続きは社会保険労務士が行います。

それぞれに事情を話して、別々にお願いするのは大変です。

そこでおすすめするのが、顧問税理士に窓口になってもらい、司法書士や社労士へ話をしてもらい手続きを進める方法です。

税理士は業務上、提携している司法書士や社会保険労務士がいることが多いです。

財務事情や事業内容がわかっている顧問税理士に窓口になってもらうことによって、すべての手続きがスムーズに行われます。

法人成りの手続きをする場合、各専門家への業務依頼が必要になりますので顧問税理士に相談するのがおすすめです。

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まとめ

法人成りは、ビジネスを次のステージに進めるための重要なステップですが、慎重な計画と準備が必要です。

会社設立に伴う費用や社会保険の加入義務、税務手続きの複雑化、経営者としての責任など、様々なポイントをしっかりと理解し、対応することが求められます。

専門家の助けを借りながら、法人成りをスムーズに進め、事業の成長を目指しましょう。

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最後までご覧いただきありがとうございます。

執筆者:プレノト

会計事務所時代は法人・個人の申告を累計500件以上担当。現在はWebマーケター。

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