- 「棚卸しって何?」
- 「棚卸を計上しないとどうなるの?」
- 「どうやって集計したらいい?」
会社の在庫管理や会計の話になると、専門用語がたくさん出てきて難しいですよね。
この記事では、棚卸に関しての基本知識や会計に与える影響などについてまとめていますので、気になる方はぜひ最後までご覧ください。
棚卸(在庫)とは
棚卸(在庫)とは
棚卸(在庫)とは、企業が保有する商品や製品、原材料などを指します。
例えば、酒屋が10ケースの酒を仕入れ、6ケースを販売すると、4ケースが残ります。残った4ケースが、棚卸(在庫)となります。
この棚卸を会計に反映させることにより、正確な原価や利益を把握することができます。
棚卸の定義
棚卸とは、企業が保有する在庫品の数量や状態を確認し、帳簿と照合する作業を指すことでもあります。
棚卸は、実際の在庫と帳簿上の在庫が一致しているかを確認するために、月末や決算期末など定期的に行われます。
目的と必要性
棚卸の主な目的は、在庫の正確な把握と管理です。
在庫の正確な情報を得ることで、無駄な仕入れを防ぎ、キャッシュフローを改善することができます。
また、正確な棚卸を計上することで、会計上の正確な原価や利益を把握することができます。
棚卸の基本手順
棚卸の手順は、在庫品の数量確認、数量と単価より金額の集計、帳簿との照合、といったステップで行われます。
棚卸の集計方法は「実地棚卸」と「帳簿棚卸」があります。
棚卸の集計方法
- 実地棚卸・・・企業が保有する全ての在庫を確認し、実際の数量を数える方法
- 帳簿棚卸・・・在庫管理システムなどで在庫数量を把握する方法
中小企業においては「実地棚卸」による集計が行われることが多いです。
業態や規模により、月末や決算末に実地棚卸を行い、棚卸高の集計を行います。
棚卸の重要性
棚卸の主要な目的
棚卸の主要な目的は、在庫の正確な状況を把握し、財務報告の正確性を保つことです。
これにより、企業は適切な経営判断を行うことができます。
経営における棚卸の重要性
正確な棚卸は、在庫管理の効率化やコスト削減に直結します。
過剰在庫や不足在庫を防ぐことで、企業のキャッシュフローを改善し、資金の有効活用が可能となります。
棚卸が企業に与える影響
不正確な棚卸は、財務諸表に誤りを生じさせ、経営判断のミスを引き起こす可能性があります。
定期的な棚卸により、在庫の実態を正確に把握することが、企業の健全な経営に不可欠です。
タイミングと頻度
棚卸を行う適切なタイミング
棚卸は月末や決算期末など、重要なタイミングで行うのが一般的です。
また、業種や業態に応じて適宜タイミングを見直すことも必要です。
業種別の棚卸頻度
業種により棚卸の頻度は異なります。
例えば、飲食業や小売業では月に一度の棚卸が推奨されますが、製造業では四半期ごとや年に一度の棚卸が一般的です。
棚卸資産の評価方法
主な棚卸の評価方法
- 先入先出法
- 移動平均法
- 総平均法
- 最終仕入原価法
棚卸(在庫)の評価方法によっては、会計資料に表示される棚卸金額が変わります。
評価方法を選択するためには、届出書の提出が必要です。
届出書の提出がなされない場合は「最終仕入原価法」により、棚卸を計上することになっています。
また、中小企業で採用されるのが多いのは「最終仕入原価法」です。最終的に仕入れた価格が商品の評価額となるため、ほかの評価方法と比べ集計が簡単です。
先入先出法
先入先出法とは、先に仕入れた在庫から先に販売したとする方法です。
これにより、在庫評価が実際の流れと一致しやすくなります。
移動平均法
移動平均法は、仕入れるたびに在庫の平均単価を更新する方法です。
常に最新の在庫評価額を反映できるため、変動が激しい商品の管理に適しています。
総平均法
総平均法は、一定期間内の全仕入れを合計し、その平均単価で在庫を評価する方法です。
移動平均法に比べ、計算が簡単で短期間の価格変動を平準化できます。
最終仕入原価法
企業は在庫の評価方法として、様々な原価計算方法を使用しています。
最終仕入原価法とは、期末在庫の評価を行う際に、最も最近仕入れた商品の単価を基準にする方法です。
これにより、在庫の評価額が最新の市場価格に近くなります。
最終仕入原価法は、最も最近の仕入価格を基準に在庫評価を行う方法であり、最新の市場価格を決算書や試算表に反映させることができます。
決算時の棚卸と会計処理
決算棚卸の目的と重要性
ポイント
決算時の棚卸は、企業の財務状況を正確に把握し、財務報告の正確性を保つために行います。
適切な棚卸により、経営判断の基礎となるデータを得ることができます。
準備と実施手順
決算棚卸では、事前準備としてスケジュールの設定、必要なツールの準備、担当者の配置を行います。
決算期末日に棚卸を行うことが基本です。
棚卸を行う日にちがずれることで、数量などの正確性が薄れます。
決算棚卸は事前にスケジュールの調整を行い、作業時間を確保して行いましょう。
よくあるミスと注意点
棚卸では、計上漏れや数量の過不足といったミスが発生しやすいです。
重要
計上漏れや集計ミスがあった場合、決算における最終利益にも影響します。税務調査で見つかった場合は追徴税や延滞税などが課される恐れがありますので、注意しましょう。
チェックポイント
- 計上漏れ・・・拾いもれがないか、別の場所に保管している在庫は入っているか
- 集計ミス・・・計算間違いはないか、エクセルの計算式は間違えてないか
- 消費税額・・・8%と10%の区分けは間違えてないか、消費税を含んで計算しているか
以上のように、棚卸の集計過程では、意外と単純なミスが多いです。
これらを防ぐためには、事前の準備とダブルチェックが重要です。
また、棚卸後の報告書作成も注意が必要です。
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まとめ
この記事では、仕入れと棚卸に関する基本的な知識から具体的な手順、評価方法までを解説しました。
仕入れとは、企業が販売や製造のために商品や原材料を購入するプロセスであり、適切な仕入れ管理はコスト削減と在庫最適化に不可欠です。
一方、棚卸とは、在庫品の数量や状態を確認し、帳簿と照合する作業であり、正確な財務報告と経営判断の基礎となります。
棚卸の目的と重要性を理解し、適切なタイミングで実施することで、企業は効率的な在庫管理と資金管理を実現できます。
評価方法としては、先入先出法、移動平均法、最終仕入原価法、総平均法などがあり、それぞれの特性を理解して選択することが重要です。
決算時の棚卸は、企業の財務状況を正確に把握するために欠かせない作業であり、準備と実施手順をしっかりと守ることで、ミスを防ぎ、正確な財務報告を行うことができます。
この記事の内容を参考に、仕入れと棚卸のプロセスを見直し、効率的かつ正確な管理を行うことで、企業の健全な経営をサポートしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。
執筆者:プレノト
会計事務所時代は法人、個人の申告を累計500件以上担当。現在はWebマーケター。