税務調査で指摘されやすいポイント解説!申告漏れを防ぐための会計処理のポイント解説!

2024年2月17日

  • 税務調査って何するの?
  • どんなところを見てくる?
  • あの処理間違っていないかな?
  • 申告漏れがあったらどうなるの?

税務調査とは、調査官が会計書類や帳簿などの内容を審査をして、申告が正しく行われているか調査するものです。

ビジネスを運営する上で避けて通れないのが税務調査です。

調査に備えるためには、日々の会計処理を適切に行い、必要な資料をきちんと整えることが重要です。

本記事では、税務調査の際に特に注意すべきポイントや、正確な会計処理を行うための具体的な手法について解説します。

また、インボイス制度や電子帳簿保存法といった新しい制度への対応についても触れ、さらに税理士に依頼するメリットとデメリットについてもご紹介します。

税務調査に対する理解を深め、安心してビジネスを運営するための一助となれば幸いです。

Table of Contents

税務調査の基本

会計初心者の方にとっては、税務調査がどのように行われるのか、何に注意すべきかを理解しておくことが重要です。

ここでは、税務調査の基本についてわかりやすく説明します。

税務調査の目的

税務調査の主な目的は、納税者が正しく税金を申告し、適切に納税しているかを確認することです。

税務調査によって、不正な申告や納税漏れを防ぎ、公平な税負担を実現することを目指しています。

税務調査の種類(任意調査と強制調査)

税務調査には「任意調査」と「強制調査」の2種類があります。

任意調査は税務署から事前に通知され、日程調整が可能です。

一方、強制調査は裁判所の令状に基づき行われるため、事前通知なしで実施されます。

一般的に、強制調査は悪質な脱税が疑われる場合に行われます。

税務調査の流れ

税務調査は通常、事前通知から始まり、調査官が企業を訪問して帳簿や関連書類を確認します。

調査後には結果報告が行われ、必要に応じて修正申告や追加の納税が求められることがあります。

税務調査の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 事前通知:税務署から調査の日時や対象となる税目、調査範囲について通知が来ます。
  2. 事前準備:必要な書類や帳簿を準備し、調査に備えます。通常は過去3年間の書類が対象となります。
  3. 調査当日:調査官が企業を訪問し、帳簿や関連書類を確認します。調査官は、売上や経費の計上方法、在庫管理などを詳細にチェックします。
  4. 結果報告:調査終了後、税務署から結果報告があり、必要に応じて修正申告や追加納税が求められます。

税務調査対策イメージ

  1. 調査官がみてくるポイントを押さえる
  2. ポイントを押さえた会計処理
  3. インボイス制度などの新しい制度への対応
  4. 自分でできなければ税理士に依頼する

税務調査の指摘ポイントと対策

実際に行われた税務調査の中で、必ずといっていいほどチェックされたポイントをご紹介します。

税務調査は、ビジネスを運営する上で避けて通れないものですが、正しい準備をしておけば恐れる必要はありません。

本記事では、税務調査でよく指摘されるポイントとその対策について解説します。

必ずチェックされる4つのポイント

  1. 現金残高は帳簿と合っているか
  2. 売上はすべて計上されているか
  3. 棚卸の計上に漏れはないか
  4. 経費に個人的な支出が含まれていないか
  5. 消費税の課税区分は正しく行われているか

それぞれの項目について解説していきます。

現金残高は帳簿と合っているか

  • 調査当日はレジや金庫内の現金を数えることが多い
  • 合っていないとその原因を調べられる
  • とくに小売業や飲食店など現金商売は定期的な確認を推奨

実際の現金と帳簿の残高が合っていないということは、何か違う原因があるということ

なにか漏れていないか、ゴマカしていないかと調査官は考えます。

売上はすべて計上されているか

  • レジの集計や請求書と売上金額が合っているか
  • 口座に振込入金されている売上や補助金等も計上されているか

一番最初に調査されるのが売上です。

故意に売り上げを計上していないと判断されると、重加算税が課される可能性がありますので注意が必要です。

申告書を作成する前に、すべての売上や雑収入が計上されているか再確認しておきましょう。

調査の前に代表者の個人口座や代表者家族の口座を調べてくる可能性があります。

棚卸の計上に漏れはないか

  • 在庫表は作成してあるか
  • 仕入請求書と単価が合っているか
  • 決算期近くの仕入は棚卸に入っているか

在庫表は提出を求められることが多いです。

また、意外と注意が必要なのが、在庫表の金額が消費税込みなのか税抜き金額なのかです。

間違えると消費税率10%もしくは8%の金額の差が出てしまうことがあるので注意しましょう。

経費に個人的な支出が含まれていないか

  • 経費の中に自宅の消耗品などが含まれていないか
  • 個人的な飲食代が含まれていないか

お中元やお歳暮については親戚や知り合いに贈ったものが混ざってないか、チェックしておきましょう。

会計処理のポイント

ご紹介した調査されやすいポイントを踏まえて、次は会計処理のポイントをご紹介します。

7つの会計処理ポイント

  1. 現金残高が合っているかチェックする
  2. 売上は漏れがないように計上する
  3. 補助金や鉄くず売却なども計上する
  4. 棚卸表は必ず作成しておく
  5. 個人的な支払いは経費に入れない
  6. 特定の人だけとの飲食代は注意
  7. 経費にできないものは要チェック

それぞれの項目について解説していきます。

現金残高が合っているかチェックする

  • 定期的に実際の現金残高と帳簿残高の相違をチェック
  • 個人事業者の場合、事業用の現金を別に区別しておく

現金残高の確認は毎日行われることが理想です。

毎日確認することで売上や経費精算の漏れなどを防ぐことにもなります。

個人事業者の場合は財布を準備して事業用の現金を区分しておくといいです。

売上は漏れがないように計上する

  • レジの集計表や請求書と売上の金額があっているか確認する
  • 決算期末時点での売掛金の計上漏れがないか確認する

売上高は一番最初に見られることが多いので、申告漏れがあると「まだ漏れているものがあるかも」という期待を調査官に与えてしまいかねません。

補助金や鉄くず売却などの副収入も計上する

  • 受けとった補助金は雑収入へ
  • 鉄くずなどの副産物売却も忘れずに計上

税務署は同業他社と比較して「普通あるもの」がないと、「この会社にはどうして無いのか」疑問に思います。

例えば、自動販売機があるのに、自動販売機の収入が上がってないのも不自然ですよね。

棚卸表は必ず作成しておく

  • 期末棚卸高の根拠となる在庫表(棚卸表)は必ず作成
  • 建設業の場合は未成工事支出金の集計も必要
  • 表示が「消費税込」なのか「消費税抜」をはっきりさせておくことも大事

集計表の金額が消費税込みなのか税抜きの金額なのか、意外にも注意が必要です。

間違えると10%もしくは8%の差額が出てしまいます。
(税込経理か税抜経理のどちらを採用しているかにより、計上方法が変わります。)

個人的な支払いは経費に入れない

  • 自宅の備品や個人が利用するためのものは経費に入れない
  • 自宅兼事務所の場合の家賃や固定資産税、電気料や水道料は事業割合で按分が必要

経費を按分計算するときは、例えば1階が事務所で2階が自宅といった場合、固定資産税の50%を経費にするなど合理的な比率での計算が推奨されます。

特定の人だけとの飲食は注意

  • 決まった従業員や役員同士の飲食費は注意
  • 最悪、給料や役員報酬と判断され、個人の所得税も増えることになる
  • 「誰と何人で」行ったかメモしておくことも大事

特定の人と行った飲食が何回もある場合は、本当に事業に関係するものか、疑問を持たれる可能性があります。

誰と何人で行ったか、打ち合わせの内容などをメモしておくと、必要経費としての信憑性を持たせることができます。

経費にできないものは要チェック

経費にならないものもチェックしておきましょう。

経費にならないもの

  1. 所得税や住民税など
  2. 借入金返済の元金
  3. 家庭の飲食や菓子代
  4. 親戚への贈り物
  5. 個人で使うメガネ など

所得税や住民税など

所得税や住民税などの税金は経費とすることはできません。

ただし、消費税や事業税は経費とすることができます。

経費にならない税金

  • 所得税や住民税
  • 相続税や贈与税
  • 法人税や法人県民税・市民税
  • 延滞税・不納付加算税など

経費になる税金

  • 消費税(税込経理の場合)
  • 印紙税や登録免許税
  • 軽油税や固定資産税 など

借入金返済の元金

  • 借入金返済の元金は経費にならない
  • 借入金の利息は経費になる
  • 住宅ローンや進学ローンなどの利息は経費にならない

住宅ローンの利息に関しては、店舗兼住宅の場合には按分計算して経費にすることになります。

家庭の食費や菓子代

  • 家庭の食材や菓子代は経費にならない
  • レシートを見ると一目瞭然

親戚への贈り物

  • 親戚へ贈った贈答品は経費にならない
  • 誰に送ったものかリスト化しておくと良い
  • 宅配の送り状を見れば誰に送ったかわかる

逆に何も資料がないと、誰に贈ったものか分からず疑問を持たれてしまう可能性があるのでリストを作成しておきましょう。

個人で使うメガネは?

  • 個人で使うメガネは経費にならない
  • 作業用の保護メガネなどは経費になる
  • 会社のユニホームは経費になる

メガネは日常生活でも使用するものなので経費として認められません。

税務調査のための準備

必要書類の整理(帳簿、領収書、契約書など)

税務調査に備えて、必要な書類を整理しておきましょう。

税務調査で必要な資料

  • 領収書・請求書・契約書
  • 事業用の通帳
  • 給料台帳や源泉徴収簿、年末調整関係資料
  • 棚卸集計表
  • 確定申告書と決算書
  • 総勘定元帳や各帳簿

調査の時までに、帳簿、領収書、契約書などの資料を整備し、すぐに提示できるようにしておくことが重要です。

調査対象期間の確認と準備

調査対象となる期間は通常3年間ですが、問題がある場合は5年、重大な場合は7年まで遡ることがあります。

まずは、指定された年度分だけ準備しておけば問題ないでしょう。

対象期間の資料をしっかりと準備しておきましょう。

証憑書類の整備と説明の準備

売上計上や経費の支出に関する証憑書類を整備し、その内容を説明できるように準備しておきましょう。

税理士との事前打ち合わせ

税理士と事前に打ち合わせを行い、税務調査の対策を練っておくことが重要です。

税務調査への立会もお願いしましょう。

専門家のアドバイスを受けることで、スムーズに対応することができます。

指摘事項への対応方法

税務調査で指摘事項を受けた場合、即答せずに相談してから回答するなど、適切に対応することが大切です。

指摘を受けた場合の対応手順

指摘事項を受けた際の基本的な対応手順は次の通りです。

冷静に受け止める

指摘を受けた場合、焦らず冷静に対応することが重要です。

税務調査官からの指摘は事実確認の一環であり、調査官の誘導に対応することも重要です。

聞かれたこと以外のことを、自分から話さないことも大事です。

即答しない

その場で即答する必要はありません。

とくに、修正が必要になりそうな事案は、専門家と相談してから回答することを伝え、税理士に相談してから後日連絡をします​。

詳細を確認する

指摘された内容の詳細を確認し、どの部分が問題とされているのかを把握します。

調査官に具体的な指摘内容や証拠を求めることが重要です。

けんか口調にならないように注意しましょう。

調査官も人間ですので、熱くなると、ムダな正義感を燃やしてしまうかもしれません。

専門家と相談する

指摘事項について税理士などの専門家と相談します。

専門家の意見を基に、指摘に対する対応方針を決定します。

税理士は法的な知識と経験を持っているため、適切なアドバイスを提供してくれます​​。

税理士から税務署に連絡を取ってもらい、対応と手続きをお願いした方が楽です。

修正申告の準備

必要に応じて、修正申告を行います。

早めに修正申告を行うことで、延滞税を最小限に抑えることができます。

税理士に相談するメリット

税理士と相談することには多くのメリットがあります。

専門知識の活用

税理士は税法に精通しており、指摘事項に対する適切な対応方法を知っています。

専門家の知識を活用することで、正確な対応が可能になります。

法的リスクの軽減

税理士と相談することで、法的リスクを軽減できます。

適切な対応を行うことで、将来的なリスクを最小限に抑えることができます。

交渉のサポート

税理士は税務署との交渉をサポートしてくれます。

専門家が介入することで、調査官とのコミュニケーションが円滑に進み、適切な解決策を見つけやすくなります。

修正申告の方法とタイミング

修正申告は、税務調査で指摘を受けた事項を反映させるために必要な手続きです。

顧問税理士にお願いするのが一番良いです。

修正申告の準備

指摘事項を正確に反映させるために、修正が必要な箇所を確認します。

税務署との打ち合わせで修正箇所が確定したら、修正申告書を作成します。

税理士に依頼し、適切に修正申告書を作成しましょう。

提出タイミング

修正申告は、指摘事項を受けた後できるだけ早く行うことが重要です。

早めに修正申告を行うことで、延滞税を抑えることができます。

追徴税の納付

修正申告に伴って、発生する追徴税は早期に納付する必要があります。

速やかに納付することで、延滞税などのペナルティの軽減になります。

インボイス制度などの新しい制度への対応

インボイス制度や電子帳簿保存法といった新しい制度に対応することも重要です。

例えば、インボイス制度に登録すると、消費税の申告と納税が必要になります。

電子帳簿の保存が不完全だと、帳簿の保存の不備を指摘されるかもしれません。

インボイス制度に登録している場合

  • インボイス制度に登録したら、消費税の申告が必要
  • レシートや領収証に「登録番号」があるかないかで会計処理が変わってくる
  • 従来の軽減税率の区分けもあるので、より消費税の処理が複雑化している
  • 消費税の申告が必要な場合は、税理士への依頼することが推奨される

消費税の会計処理は、従来の8%と10%の軽減税率の区分け」と「インボイス制度の区分け」が必要になり、処理が複雑化しているので、税理士へ会計と申告をお願いすることを推奨します。

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電子帳簿保存法

  • 請求書等をメールやインターネットで受け取ったら電子データの保存が必要
  • 規定された方法による電子データを保存する必要がある
  • ネット購入やQRコードやカード決済が増えているので、電子データとなるものは結構多い

インターネットでの買い物やメールでの請求書等のやり取りなどが増えているので、対象とされる電子データは意外と多くなります。

今のところ罰則などは公表されていないようですが、規定された方法でしっかりと保存しておきましょう。

税理士に依頼するメリット&デメリット

会計処理のポイントについては、一般の方には判断が難しいところもあると思います。

とくに消費税の処理は近年煩雑となっていることから、会計や税務のプロである税理士にお願いするのが一番です。

筆者は税理士事務所に勤務していた経験があるので、自分が思う税理士に依頼するメリットとデメリットを紹介させていただきます。

税理士のメリット

  1. 税務調査の立会い
  2. 税法に則った会計処理
  3. インボイスや軽減税率の消費税処理
  4. 本業に専念できる

税務調査の立会い

  • 税務調査に一緒に対応してもらえる
  • 調査官の質問に対し、税法面からの適切な対応

調査官にとっても、税務調査に税理士がいる状況はとても緊張するものです。

いるだけで調査官へのけん制になるし、なにより心強いのが最大のメリットです。

税法に則った会計処理

  • 税理士は会計と税務のプロフェッショナル
  • 一般の方では判断が難しいものでも、プロに安心して任せられる。

会計処理の中には、税法に沿った判断が必要な場合があります。

固定資産の減価償却や長期前払費用の会計処理など、専門的な知識がないと処理が難しいものです。

税理士は会計や税金のプロフェッショナルですので、安心して任せることができます。

インボイスや軽減税率の消費税処理

  • インボイス制度でより消費税の処理判断が難しくなっている
  • 従来の8%と10%の複合税率の処理も必要

プロである税理士なら、安心して任せられますね。

本業に専念できる

  • 会計処理を任せられるので、本業に専念できる
  • 会計処理は会計ソフトへの入力や帳票のチェックで時間と手間がかかる
  • 経営状況を税理士から説明をしてもらえる

会計処理は時間と手間がかかるものです。

会計はプロに任せて本業に専念するのも手です。

税理士のデメリット

税理士に依頼するデメリットです。

料金がかかる

毎月の監査などで時間がとられる

担当者と合わないと気疲れする

料金がかかる

  • 会計を依頼するには、当然料金がかかる
  • 毎月の顧問料は3万円が相場と言われている
  • 調査立会報酬や決算料は別途必要

毎月の顧問料は3万円が相場と言われていますが、取引量や売上規模によって金額は変わります。

決算料や年末調整報酬などは別途必要です。

また、税理士によりますが調査立会費用も別にかかります。

税理士の先生も商売でやっているので、依頼ごとに報酬を支払う必要がでてきます。

毎月の監査で時間を割く必要がある

  • 会計処理は1か月ごとが基本なので、毎月監査の時間を割く必要があります。

例えば、2月の会計処理であれば3月中旬ごろにきて、会計処理をすることが一般的です。

毎月ちゃんと会計資料や経営状況を見てもらっていると考えればメリットにもなりますね。

ここでいう監査とは、税理士が領収証や請求書等をチェックして修正や指導をしたり、業績を基に経営相談・提案を行うことをいいます。

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お役立ち情報

会計事務所時代に筆者が得た情報を記載しておきます。

税務調査に来る理由

「これをやったら絶対に調査に来る」と公表されているものは本当に少ないです。

あくまで「調査に来る理由といわれている事」についてご紹介します。

  • KSKシステムから選出
  • 脱税のタレコミがあった
  • 同一業種に調査に入る
  • 繰り戻し還付の申告をした

KSKシステムから選出

  • KSKシステムとは全国の納税者の申告や納税情報を集約して管理している国のシステム
  • 同業他社と比較して突出した経費がある、または利益率が低いなどの理由で税務調査の対象が選出されるようです

「建物などの大きな買い物をすると調査に来やすい」といわれていたこともあります。

脱税のタレコミがあった

  • タレコミや内部告発で来ることもある

これもよく聞かれますが、とはいっても、電話一本のタレコミで税務調査が行われるとはちょっと考えられません。

内部調査でタレコミの内容も確認した上で税務調査に入る可能性が高いです。

同一業種に調査に入る

  • 以前、携帯ショップに立て続けに税務調査が行われたことがあった

何年も前ですが、当時は携帯電話を販売しているドコモショップやauショップなどが好調だった時期に立て続けに調査が入った時がありました。

同じ業種を対象に調査に入ることもあるのかもしれません。

繰り戻し還付の申告をした

  • 繰り戻し還付の申請が行われた場合は必ず税務調査が行われる
  • 税法の規定で繰り戻し還付の申請がされた場合は税務調査が行われる定めがあるため

こう言われると、税金の還付申請すると税務調査にいくぞ!と言われている感じですね。

いずれにしても繰り戻し還付を申請する場合は税務調査も覚悟しておくべきですね。

かんたんにいうと

繰り戻し還付とは「当期に赤字が出た場合に、過去に支払った税金の還付を申請できる」という制度です。

申告漏れなどがあった場合

税務調査で申告漏れが見つかった場合、どういう影響があるのか気になる方は多いですよね。

追徴税やそのほかの影響についてまとめてみました。

申告漏れにより想定される影響

  • 本税の追徴と延滞税や不納付加算税の納付
  • 市町村・都道府県の住民税の追徴
  • 償却資産税の追徴
  • 国民健康保険の追加納付
  • 社会的な信用等

本税の追徴と延滞税や不納付加算税の納付

  • 申告漏れの分、追加の納税が必要
  • 延滞税や不納付加算税などの附帯税の納付

申告漏れがあり利益が増えた場合、その分の納める税金が増えます。

さらに延滞税などの罰則的な税金も課されます。

市町村・都道府県の住民税の追徴

  • 利益が増えると住民税も増えます
  • さらに延滞金や加算金が課されます

住民税も所得税など同様、利益が増えれば税額も増えます。

申告漏れによる影響は法人税や所得税だけではないことを覚えておきましょう。

償却資産税の追徴

  • 償却資産税は事業用の備品や機械などの固定資産に課される税金
  • 固定資産税と一緒に徴収される

固定資産とすべきものを一括で経費にしていた場合、税務調査で指摘があったときは修正する必要があります。

その結果固定資産が増えることになるので、償却資産税にも影響がでてきます。

国民健康保険の追加納付

  • 個人事業者の場合は所得が増えると国民健康保険料も増える

意外と盲点なのは国民健康保険料です。

所得を基準に計算される部分もあるので、所得が増えれば国民健康保険も増えることになります。

社会的な信用等

  • 脱税と判断されるような悪質なものは悪影響の可能性あり
  • 金額によっては新聞などのメディアに取り上げられることもある

申告漏れの理由が、イージーミスやちょっとした計算間違いで金額も大したことがなければそんなに問題になることはないのかもしれません。

ただし、申告している内容が違うということなので、取引している金融機関や取引先には印象を悪くしてしまうことも考えられます。

税務調査の心得

税務調査を幾度か立会いし、重要と思われることを記しておきます。

ご参考にしていただければ幸いです。

  1. 資料の準備をしっかりしておく
  2. 調査官に対して悪態をついてはいけない
  3. 調子に乗って聞かれたこと以外もベラベラと話さないほうがよい

資料の準備をしっかりしておく

  • 帳簿や会計書類はもれなく準備する
  • 棚卸表や源泉徴収簿なども必要
  • 事業と関係ない資料、金銭等は整理する

資料に不備があると、税務調査が長引いてしまうこともありますので、全ての資料を準備しておいた方がいいです。

また、事業と関係ない資料やお金、商品券などは誤解を招くことがあるので、金庫や机回りを整理しておきましょう。

調査官に対して悪態をついてはいけない

  • 疑うことも調査官は仕事でやっていること
  • 淡々と対応するのがいい
  • 決して悪態をつかないこと

調査官も人間です。例えば「税金で飯を食っているくせに!」などと悪態をついてしまうと、「絶対に不正を見つけてやる!」などと使命感に余計な油を注いでしまいかねません。

実際、そのような発言をしてしまい調査官のやる気が増してしまった調査もありました💧

聞かれたこと以外もベラベラと話さないほうがよい

  • 聞かれたことに対してだけ、答えるようにしましょう
  • 余計な情報を与えない方がいいです

鎌をかけられて、余計な話もしてしまわないように注意しましょう。

わからない質問に関しては安易に返答せず、再度確認するか、わからない旨伝える、または、税理士の先生がいれば、代弁してもらったほうがよいです。

余計な情報は与えないようにふるまうのが得策です。

よくある質問(FAQ)

税務調査の基本

税務調査の目的は何ですか?

税務調査の主な目的は、納税者が適切に税金を申告し納税しているかを確認することです。これにより、不正な申告や納税漏れを防ぎ、公平な税負担を実現します。

税務調査の流れはどうなっていますか?

一般的な税務調査の流れは、事前通知、事前準備、調査当日、結果報告の順に進みます。事前通知で調査の日程や対象が通知され、調査官が帳簿や書類を確認します。その後、結果報告が行われ、必要に応じて修正申告が求められます。

税務調査の指摘ポイントと対策

税務調査でよく指摘されるポイントは何ですか?

主な指摘ポイントは、現金残高と帳簿の一致、売上計上のタイミングと漏れ、棚卸計上の正確性、経費に含まれる個人支出の有無などです。

経費に個人的な支出が含まれていないかを確認する方法は?

経費に個人的な支出を含めないよう、プライベートとビジネスの支出を明確に分けることが重要です。個人的な支出は経費に含めず、適切に管理しましょう。

会計処理のポイント

補助金や鉄くず売却などの副収入も計上する方法は?

副収入も通常の売上と同様に、証憑書類を整備して帳簿に記録します。すべての収入を適切に計上することが重要です。

棚卸表は必ず作成しておく必要がありますか?

はい、棚卸表を作成することで、在庫の正確な管理が可能になります。定期的に棚卸を行い、帳簿と実際の在庫を一致させましょう。

お役立ち情報

税務調査の心得は何ですか?

税務調査に対して冷静に対応し、正確な資料を提供することが重要です。調査官に対して誠実に対応し、適切な説明を行うことで、調査をスムーズに進めることができます。

税理士に依頼するメリットは何ですか?

税理士に依頼することで、税務調査への対応がスムーズになり、専門的なアドバイスを受けることができます。これにより、税務リスクを軽減できます。

まとめ

税務調査のポイント

必ず見られる4つのポイント

  1. 現金残高は帳簿と合っているか
  2. 売上はすべて計上されているか
  3. 棚卸の計上は漏れがないか
  4. 経費に個人的な支出が含まれていないか

会計処理のポイント

  1. 現金残高が合っているかチェックする
  2. 売上は漏れがないように計上する
  3. 補助金や鉄くず売却などの副収入も計上する
  4. 棚卸表は必ず作成しておく
  5. 個人的な支払いは経費に入れない
  6. 特定の人だけとの飲食は注意
  7. 経費にできないものは要チェック

税理士に依頼するメリットとデメリット

メリット

  • 税務調査の立会い
  • 税法に則った会計処理
  • インボイスや軽減税率の消費税処理
  • 本業に専念できる

デメリット

  • 料金がかかる
  • 毎月の監査などで時間を割く必要がある

お役立ち情報

税務調査に来る理由

  • KSKシステムから選出
  • 脱税のタレコミがあった
  • 同一業種に調査に入る
  • 繰り戻し還付の申告をした

申告漏れにより想定される影響

  • 本税の追徴と延滞税や不納付加算税の納付
  • 市町村・都道府県の住民税の追徴
  • 償却資産税の追徴
  • 国民健康保険の追加納付
  • 社会的な信用等に影響

税務調査の心得

  • 調査の準備や対策はしっかりしておく
  • 調査官に対して悪態をつかない
  • 聞かれたことだけ答える

最後までご覧いただきありがとうございます。

執筆者:PLEASANTNOTE

会計事務所時代は法人・個人の申告を累計500件以上担当。現在はWebマーケター。

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