- 「帳簿をつけないとどういう影響がある?」
- 「帳簿をつける必要性は?」
- 「税理士に頼んだ方がいい?」
帳簿は何のために必要なのか、どうやってつけたらいいのか、事業者の方は知っておきたいですよね。
筆者が自身の体験を踏まえて「帳簿を付けるメリット」や「帳簿を付けないことで受けるリスク」などについてまとめていますので、これから帳簿を作成することを検討している方はぜひ最後までご覧ください。
帳簿をつけるメリットとつけないリスク
帳簿とは
企業や個人の収入、支出、資産、負債などの財務取引を記録・管理するための書類やデータのことです。帳簿をつけることで、経営状況を正確に把握し、財務管理や税務申告を適切に行うことができます。
帳簿を付けるといっても、今は会計ソフトを利用して作成する方法が主流です。
日々の取引を会計ソフトに登録すると、総勘定元帳や仕訳帳といった帳簿の作成ができてしまいます。
さらに登録したデータをもとに、試算表や推移表といった経営資料を出力することも可能です。
多くの経営者はこの経営資料を使って、自社の財務状況の分析や経営計画などに役立てるように利用しています。
帳簿を付けるメリット
- 帳簿を付けると経営を数字で見ることができる
- 収入や支出、利益が把握できると、予算や資金繰りの管理がしやすい
それぞれの項目について解説します。
帳簿を付けると経営を数字で見ることができる
帳簿を付けることで、経営状況を数字で正確に把握できるようになります。
数字による経営管理は、収入と支出、利益と損失を明確にし、効率的な経営判断を支援します。これにより、経営者は事業の現状を正確に把握し、将来の計画を立てやすくなります。
例えば、帳簿を付けることで、どの商品が最も利益を上げているか、どのコストがかかりすぎているかを明確に把握することができます。このデータを基に、コスト削減策を講じたり、人気商品の生産を増やしたりするなど、具体的な経営改善策を実行することが可能となります。
帳簿を付けることにより、経営状況を数字で明確に把握でき、データに基づいた効果的な経営判断が可能になります。これにより、自社の成長や安定を実現するための重要な手段となります。
収入や支出の把握ができるので、予算管理や資金繰りなどの管理ができる
ポイント
帳簿を付けることで、収入と支出を正確に把握し、効果的な予算管理や資金繰りが可能になります。
帳簿をつけることで、毎日の収入と支出を記録し、経営状況を把握することができます。この情報を元に、予算を立てたり、将来の支出を計画したりすることができます。
また、資金の流れを把握することで、適切なタイミングで資金を調達したり、支払い期日を守るための資金繰りを行うことが可能です。
例えば、毎月の収入と支出を正確に把握することで、情報を元に予算を立て、どの部門にいくらの予算を割り当てるかなどの検討材料となります。
帳簿を付けることで、収入と支出を把握し、予算管理や資金繰りを効果的に行うことが可能。これにより、経営状況を把握し、ビジネスの成長と安定につなげることができます。
資金繰りとは
資金繰りとは、日々の収入と支出を管理することを指します。収入と支出の予測や実績を把握することで、その間に資金が足りなくなるリスクに対応します。正確な資金繰り計画は、ビジネスの成長や資金的なリスク管理にとって重要です。
帳簿をつけないリスク
- 税法で定められている帳簿等の保存の規定に違反することになる
- 経営状況、財務状況の健全性や、対外的な信頼性に大きな影響がでる
それぞれの項目について解説します。
税法で定められている帳簿等の保存の規定に違反することになる
ポイント
帳簿をつけないことで、税法で定められている帳簿等の保存の規定に違反するリスクが生じます。
税法では、企業や個人が特定の期間にわたって帳簿を保管することが義務付けられています。
帳簿をつけない場合、この規定に違反することになり、税務当局から罰則や制裁を受ける可能性があります。また、帳簿を保管することは、税務申告や税務調査の際に必要な証拠となるため、帳簿をつけないことで納税者の権利や利益が損なわれる恐れもあります。
例えば、税務調査で帳簿を作成・保存していないことが発覚した場合、企業が所得を過少申告していたと疑われ、罰則や追加の課税を受ける可能性があります。
さらに、帳簿が不十分だったために、企業側が課税の正当性を主張する証拠を提供することが困難になり、結果として納税額の増加や追加が免れない状況になってしまうリスクも生まれます。
帳簿をつけないことで、税法で定められている帳簿等の保存の規定に違反するリスクがあります。これにより、税務当局からの罰則などを受ける可能性が高まり、経済的な損失や対外的な信用が損なわれる可能性があります。
金融機関からの信頼喪失
ポイント
帳簿をつけないことで、金融機関からの信頼を失うリスクが生じます。
金融機関は、財務状況や返済能力を把握するために企業の帳簿を重要視します。
帳簿をつけない場合、財務状況を示すことができないので、企業の財務状況が不透明であると見なされ、融資や信用取引の審査に影響を与える可能性があります。
例えばその結果、融資が減額となったり、信用枠を縮小したりすることがあります。最悪の場合、融資を断られる可能性も考えられます。
帳簿をつけないことで、金融機関からの信頼を失うリスクが生じます。金融機関との付き合いに関しては信頼を維持し、資金調達を円滑に行うために正確な帳簿管理を行うことが重要です。
帳簿を作成するための方法
帳簿を付けるための方法
- 会計ソフトを利用して作成する
- 税理士に依頼して作成してもらう
会計ソフトを利用して作成する
会計ソフトを利用することで、帳簿を効率的かつ正確に作成することができます。
会計ソフトに登録することで、日々の取引が自動的に集計され、手作業によるミスを減らすだけでなく、時間の節約にもなります。
また、収支の記録や分析が容易になり、リアルタイムで経営状況を把握できるようになります。これにより、経営判断を迅速かつ正確に行うことができます。
例えば、会計ソフトを利用することにより、日々の取引データをリアルタイムで登録できます。登録されたデータは自動的に集計され、試算表や推移表などの経営資料を即座に作成します。
これにより、経営者は毎月の収支状況を詳細に確認でき、問題の把握や解決に対応することが可能です。さらに、税務申告時にも必要なデータがすぐに揃うため、申告作業をスムーズに行うことができます。
会計ソフトを利用することで、帳簿作成の効率が大幅に向上し、経営状況をリアルタイムで正確に把握することができるようになります。これにより、経営判断を迅速かつ適切に行い、ビジネスの成長を支援することができます。
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税理士に依頼して作成してもらう
税理士に依頼して帳簿を作成してもらうことで、正確かつ専門的な財務管理が可能になります。
税理士は会計および税務の専門知識を持っており、法律や規制に則った正確な帳簿作成ができます。これにより、税務リスクを軽減し、経営者が本業に専念できる環境をつくることができます。また、税理士のアドバイスにより経営改善や節税対策も実施しやすくなります。
例えば、税理士に帳簿作成を依頼することで、これまで手間がかかっていた日々の記帳作業から解放されます。
税理士は最新の税法に基づいて帳簿を作成し、適切な経費計上が行われます。
また、税理士からの定期的な経営アドバイスにより、経営戦略の見直しや資金繰りの改善、節税効果を受けられるメリットがあります。
税理士に依頼して帳簿を作成してもらうことで、専門的かつ正確な財務管理が可能になり、税務リスクの軽減や経営改善に役立ちます。これにより、経営者は本業に集中でき、ビジネスの成長を効果的にサポートすることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
帳簿を付けるのは面倒な気がしますが、メリットやリスクを考えると作成は必要でしょう。
とくに、フリーランスの方含め、経営者の方の帳簿の作成と保存は税法により規定されています。
自分で作成できそうな場合は会計ソフトを使って、できない場合は税理士に依頼して、帳簿を作成しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。
執筆者:プレノト
会計事務所時代は法人・個人の申告を累計500件以上担当。現在はWebマーケター。