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- 税込経理と税抜経理って、どっちが得なんだろう?
- 税金の支払い額にどんな違いが出る?
- 小さな会社でも、税込経理と税抜経理の選択って重要?
こんな疑問に答えます。
事業を運営する上で、経理処理方法は重要な決定事項の一つです。
特に「税込経理」と「税抜経理」のどちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。
本記事では、これらの経理方式の違いや、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
あなたのビジネスにとってどちらが有利なのか、具体的な事例を交えながらご紹介しますので、経理初心者の方でも安心して理解できる内容となっています。
税込経理と税抜経理のどちらが有利か?
税抜経理が一般的に有利です。
税抜経理が有利な理由は次の通りです。
- 税抜経理は、消費税額抜きの売上金額や仕入金額により正確な損益を把握できて、経営の実態を正確に反映します。
- 減価償却資産の判定も、税抜金額の判断となるため、必要経費として計上しやすいことや、少額減価償却資産でより多くの即時償却が可能になります。
税抜経理は、特に中規模以上の事業者や、正確な財務情報が必要な企業が採用している傾向にあります。
税込経理と税抜経理の違いは?
消費税の課税事業者は、消費税の会計処理について、税込経理か税抜経理かを選択する必要があります。
また、法人の場合は税込経理か税抜経理かを決算書に記載することになっています。
違いは
決算書などの金額が消費税込金額の表示か、税抜金額の表示かの違い!
どちらの経理方法を選んでもよいことになっています。
※消費税の納税義務がない免税事業者は税込経理をすることになります。
選択した方法は事業年度を通じて使用していくことになります。
それぞれの経理方法の損益計算書の具体例
税込経理と税抜経理、それぞれの損益計算書の例です。
「税込経理」は税込金額、「税抜経理」は税抜金額で表示されます。
2つの損益計算書を比較すると
- 税込経理の方が消費税分、売上が多く表示される
- 売上総利益も多く表示される
- 利益は最終的に同じになる
- 納める消費税額も同じになる
このような特徴が表れます。
最終的な利益、納税金額は変わりませんが、税込経理の方が売上を大きく見せることができます。
※税込経理の場合、納税する消費税も租税公課という経費になります。
ちなみに、税抜経理でも会計ソフトへの入力は「税込金額」を入力し、決算書や試算表は「税抜金額」で出力されるのが一般的です。
経理方法を選択する基準は
税込経理か税抜経理かを選択する場合、それぞれの特徴を考えて、自社に合うまたは、都合のいい方法を選択するべきです。
それぞれのメリットとデメリットを解説します。
税込経理のメリットとデメリット
メリット
- 消費税の分、売上高が大きく表示される
- 経理処理が簡単
- 資金繰りが読みやすい
デメリット
- 正確な損益把握がむずかしい
- 納める消費税が推測しづらい
- 決算時に一度に消費税が計上される
それぞれのポイントについて解説します。
- まずは先述の通り、売上を大きく見せることができるので、対金融機関というところではメリットになります。
- 売上や仕入など税込表示のため、資金繰りとリンクするところが多いので、資金繰りが読みやすいといった点があります。
デメリットのポイントとしては
- 各勘定科目に消費税分が含まれる形になっていて数字で確認ができないので、納税する消費税はその都度計算してみないとわかりません。
- 決算や申告時に納税する消費税が確定するので、期末に一度に消費税が計上されることになります。これにより、利益が黒字で来ていたのが、決算の際に実は赤字でした。なんてこともあります💦
税抜経理のメリットとデメリット
メリット
- 消費税抜きの正確な損益を把握できる
- 納める消費税が把握しやすい
- 減価償却資産の判断も税抜金額
デメリット
- 資金繰りがわかりづらい
- 税込経理より会計処理がひと手間多い
それぞれのポイントについて解説します。
- 税抜経理では、消費税は「仮受消費税」と「仮払消費税」という勘定科目で表示されるので、その差額を考えれば、納める消費税額をかんたんに把握できます。
- 基本10万円以上の備品などは減価償却資産の対象となり、何年かに渡って減価償却費として経費で落とします。税抜経理の場合は税抜金額での判断となるため、税込経理と比べて経費で落とせる可能性が高くなります。
- また、「仮受消費税」と「仮払消費税」の振替処理が必要となり、決算時にはひと手間増えることになります。
経理方法を選択する基準
- 消費税の計算方法が、原則課税の場合は税抜経理を選択したほうがいい
- 売上を大きく見せたい場合や、経理を簡単にしたいときは、税込経理がおすすめ
原則課税の場合は税抜経理を選択
理由は
- 納税する消費税額が推測しやすい
- 資産計上する備品なども税抜金額での判断になるので、資産計上せずに経費でおとせる可能性が高くなる
- 少額減価償却の上限300万を考えると、税抜金額の方がより多くの資産を償却し経費にできる
※原則課税の企業は売上規模や利益規模が大きいところが多いので、減価償却資産がらみの節税の点も考慮して「おすすめ」としました。
売上を大きく見せたい場合や経理を簡単にしたいときは、税込経理がおすすめ
理由は
- 消費税の分、売上を大きく見せることができる
- 税抜経理よりも経理がかんたん
以上、参考になれば幸いです。
経理方法の変更について
経理方式の変更方法
経理方法の変更には、基本的に税務署への届出は不要です。
経理方法の変更は、企業の経営判断や税務処理に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要があります。
事業の規模や記帳方法、税務処理の複雑さを考慮し、最適な経理方法を選択することが重要です。
変更を検討する際には、会計ソフトの設定変更や税理士への相談を通じて、スムーズな移行を目指しましょう。
経理方法の変更による影響
経理方法を変更することには、企業の財務状況や経営判断にさまざまな影響を及ぼします。
経営判断への影響
- 前期比較による経営の正確性
- 金融機関の融資の評価
それぞれの影響について解説します。
前期比較による経営の正確性
経理方式の変更した場合、損益状況を前期比較したときに、比較しづらくなります。
例えば、前期が税込経理、今期が税抜経理だと消費税の分、金額がずれてしまいます。
税込金額と税抜金額では、売上と経費の金額を見た場合に、常に8%~10%の消費税の差が生じます。
そのため、前期の同月と比較して経営状況をみる場合、比較しづらいものとなってしまいます。
よほどの理由がない限りは、毎年同じ経理方式を継続した方がよいでしょう。
金融機関の融資の評価
経理方式の変更により、経営状況の前期比較で、売上が伸びているのか把握しづらくなります。
また、借入金の限度額は、売上高が基準となる場合があるので、この点も注意が必要です。
変更を検討する際には、税理士に相談し、適切な経理方法を選択することをお勧めします。
まとめ
事業規模や経理処理の複雑さを考慮し、税抜経理と税込経理のどちらが自社に適しているかを判断します。
自社の状況やニーズに合わせて、最適な経理方式を選択することが重要です。
小規模事業者は簡便な税込経理を、中規模事業者は正確な税抜経理を選択することが一般的です。
自社の特性に応じた経理方式を選択することで、経営判断の精度を高めることができます。
税込経理と税抜経理の違い
決算書などの金額が税込金額か、税抜金額かの違い
損益計算書上の違い
- 税込経理の方が消費税分、売上が多く表示される
- 売上総利益も多く表示される
- 利益は最終的に同じになる
- 納める消費税額も同じになる
税込経理
メリット
- 消費税分、売上高が大きく表示される
- 資金繰りが把握しやすい
デメリット
- 納める消費税がわかりづらい
- 決算時に一気に消費税が計上される
税抜経理
メリット
- 納める消費税がわかりやすい
- 減価償却資産の判断も税抜金額
デメリット
- 資金繰りがわかりづらい
- 決算時に会計処理のひと手間がある
原則課税の場合は
税抜経理の方がおすすめ
- 納税する消費税額がわかりやすい
- 資産計上する備品なども税抜金額での判断になるので、経費でおとせる可能性が高くなる
- 少額減価償却の上限300万を考えると、税抜金額の方がより多くの資産を償却できる可能性がある
以上、参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
執筆者:PLEASANTNOTE
会計事務所時代は法人・個人の申告を累計500件以上担当。現在はWebマーケター。
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